住宅というのは、外観や設備は確認ができても、住宅そのものの品質は見ただけでは分かりません。そこで、所有している住宅の売却を予定している売主の中に、「インスペクション」を受ける人が多くなっています。

不動産の効果的な売却方法の選び方・インスペクションとは

インスペクションを日本語で言うと、「点検、検査」のことです。従って、中古住宅におけるインスペクションとは、建物の状況を点検、検査することを意味します。特に、住宅の構造や耐力上の主要部分、雨水の浸入、床下の腐食などに対して、専門家が適性かどうかをチェックします。

なお、宅地建物取引業法で規定しているインスペクションでは、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が検査を実施します。また、検査方法は国の定めた既存住宅状況調査方法基準に則ります。

1.検査の対象
インスペクションの検査対象となるのは築年数が2年を超えた住宅であり、すでに居住されている住宅です。従って、店舗や事務所などは検査対象に含まれません。
住宅の検査対象になる部分は以下などです。
・構造耐力上の主要部分:基礎、土台、床版、柱、横架材、壁、屋根版など
・雨水の浸入の防止部分:基礎杭、床版、壁、外壁、開口部、屋根など

インスペクションの結果を見ることで、家の傾きの有無や雨漏り、シロアリによる床下の腐食などが分かります。また、人が生活する住宅として、適切な品質を備えているのかを確認できます。

2.検査方法
検査は目視を中心に、触診、打診、作動確認などによって行われます。その他、簡易なレーザー距離計やデジタル水平器などの計測機器が使用されます。ただし、インスペクションはあくまでも目視を主体にした検査であり、欠陥の無い住宅を保証するわけではありません。

不動産の効果的な売却方法の選び方・インスペクションの影響

インスペクションに合格した場合は、設定価格のまま売却を進められます。一方、不合格だった場合は、修繕の可否や売却価格の変更の判断が必要になります。ただ、インスペクションが不合格だとしても、買主がその内容を承諾していれば、売却が可能です。ただ、設定価格のままでの売却は、検討の必要があります。いずれにしても、合格した住宅の方が売りやすいのは事実です。

不動産の効果的な売却方法の選び方・インスペクションのメリット

インスペクションに合格すると、主に以下の3つのメリットが得られます。

1.設定価格でのスムーズな売却
2.売買における安心感の付与
3.既存住宅売買瑕疵担保保険の付帯が可能

1.設定価格でのスムーズな売却
インスペクションに合格した住宅は買主からの信頼を得られます。従って、早い段階で提示価格での売却が可能になります。

2.売買における安心感の付与
民法の改正によって契約不適合責任がスタートし、売主にはより強い責任が課せられています。インスペクションで合格を得れば、その内容を売買契約書に記載できるため、住宅に関する契約不適合責任の心配が減少します。インスペクションは、売主と買主の双方に安心感を与えます。

3.既存住宅売買瑕疵担保保険の付帯が可能
既存住宅売買瑕疵担保保険(通称、瑕疵担保保険)に加入するには、インスペクションの合格が必要です。瑕疵担保保険に加入すると、瑕疵が発見された時の修理費用を保険で補償してもらえます。従って、瑕疵担保保険に加入してある住宅は付加価値が高くなり、早期の売却をもたらします。

まとめ

住宅というのは目で見ただけでは品質の分からない面が多いため、売主の説明だけでは疑いの目で見るようになります。それが、スムーズな売却を妨げる要因になっています。インスペクションの合格の提示があれば、スピーディな売却を高めることが可能になります。