不動産の専門用語「滅失登記」無駄に税金払っていませんか?

不動産の専門用語「滅失登記」無駄に税金払っていませんか?

不動産の専門用語「滅失登記」無駄に税金払っていませんか?

不動産を取得したり、相続したりした場合は法務局で登記をし、自分の所有物であることを公的に明らかにします。実は、登記は不動産を取得した時だけではなく、不動産が無くなった時にも登記が必要であり、それを「滅失登記」と言います。

目次

不動産の専門用語・滅失登記とは

滅失登記というのはその言葉通り、建物が無くなったということを記録する登記のことです。建物自体は解体業者に頼めば壊してもらえますが、滅失登記をしないと建物が存在しないのに、登記上では建物が建っていることになってしまいます。

建物の滅失登記は解体や火災などによって建物が無くなった場合に、建物の登記を閉鎖することであり、所有者に課せられた義務です。滅失登記が終了すると、登記の表題部の原因及びその日付欄に「閉鎖」と記載されます。

不動産の専門用語・滅失登記を怠った場合に発生する費用

建物の滅失登記は所有者の義務になっていますが、その義務を怠ると以下のような費用を負担することになります。
1.過料の命令
不動産登記法では、「建物が滅失した時はその滅失の日から1ヶ月以内に当該建物の滅失登記申請をしなければならない」と規定されています。加えて、同法では、「申請を怠った時は10万円以下の過料に処する」ともされています。

2.固定資産税・都市計画税の支払い
建物の滅失登記を怠ると、公的には建物を所有していることになり、当該建物に対する固定資産税や都市計画税の納付が請求されます。また、改めてその土地に建物を建てる時は建築確認申請を行いますが、申請した土地に既存の建物が登記されている場合は、当然建築確認が下りません。

不動産の専門用語・滅失登記の手続き

滅失登記は相続登記などと違って専門知識が必要なく、必要書類もそれほど多くありません。従って、所有者自身で行うことが可能です。また、高額な登録免許税といった税金がかからず、費用は証明書類の取得に1,000円前後が必要なだけです。

滅失登記の手続きは以下の手順で行います。
1)家屋番号の確認
固定資産税納税通知書で家屋番号を確認します。
2)登記事項証明書などの取得
建物の所在地を管轄する法務局へ行き、登記事項証明書を取得します。
3)滅失登記申請書の作成
登記事項証明書の内容を下に、滅失登記申請書を作成します。
4)登記申請書を法務局へ提出
登記申請書は郵送での提出も可能です。提出後、2週間程度で登記が完了します。

不動産の専門用語・滅失登記する建物に抵当権が付いていた場合

建物に抵当権の設定されていることが少なくありません。抵当権とは、債務者に債務不履行があった場合に、抵当権者が他の債権者より優先して弁済を受けられる権利のことです。一般的に、土地と建物をセットにして抵当権が設定されるため、抵当権者の承諾を得ないで建物を売ったり壊したりすることはできません。

滅失登記において、抵当権者の承諾書を添付することが法的に求められているわけではありません。ただし、抵当権付きの建物を勝手に解体すると、抵当権の内容次第では抵当権者から民事訴訟を起こされる可能性があります。従って、建物を解体したい場合は、抵当権者の同意を得る必要があります。銀行などの金融機関が抵当権者の場合は、比較的スムーズに同意書を発行してもらえる可能性が高くなっています。

不動産の専門用語・滅失登記を専門業者に依頼する場合

滅失登記は自分でもできますが、手間がかかりますし、正しくできるか不安もあります。自信の無い人は、専門業者に依頼した方が確実です。ちなみに、滅失登記は土地家屋調査士だけの独占業務であり、司法書士はできません。なお、報酬は4~5万円が相場になっています。

まとめ

建物の滅失登記は所有者の義務です。滅失登記をしないと無駄に税金を払ったり、新しい建物の建築確認ができなかったりします。

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