戸建住宅の売却の種類は大きく分けて2つ!任意売却と競売の違い

戸建住宅の売却の種類は大きく分けて2つ!任意売却と競売の違い

戸建住宅を建てたり、購入したりする時は高額な金額が必要なため通常、金融機関と住宅ローンの契約を結びます。その場合、戸建住宅は債権者(貸付金融機関)へ担保として提供され、抵当権が設定されます。

従って、債務者が住宅ローンの返済をできなくなると、債権者は担保の戸建住宅を売却して債権額の回収に充てます。その際の住宅の売却方法には、「任意売却」「競売」の2つがあります。

目次

1.戸建住宅の任意売却

任意売却とは、住宅ローンの債務者と債権者が話し合って売却する方法のことです。任意売却には以下のような特徴があります。

①売主が市場価格に即して販売価格を決められるため、競売より高い価格での売却が可能になります。

②債務者と債権者の同意に基づくため、売却や明渡しなどのスケジュールを調整できます。

③仲介手数料などは売却代金から支払われるため、別途に資金を用意しなくて済みます。

④個人的な売却であるため、返済不能に陥ったことや、個人情報などを他人に知られる心配がありません。

なお、任意売却の代金だけでは住宅ローンの完済のできないケースが多くあります。その場合は、残った債権がサービサー(債権回収会社)に転売されるのが一般的です。サービサーは残債を非常に安い価格で買取っており、仮に全額を回収できなくても利益が出るようになっています。そのため、債務者は残債をより安い金額で買い戻せたり、低い金額での分割返済にしてもらえたりする可能性があります。

ちなみに、任意売却をするためには担保の抵当権の抹消が必要です。仮に、抵当権者が複数存在する場合、その内の1社でも抵当権の抹消に応じないと任意売却ができなくなります。

ハンコ代の提供

競売では抵当権の設定順位の高い債権者から債権を回収していくため、第2順位以下の債権者は債権を回収できない可能性があります。例えば、債権の内訳が第1抵当権者が1,500万円、第2抵当権者が600万円、第3抵当権者が200万円だった際に、落札価格が1,000万円だとします。その場合は、1,000万円全てが第1抵当権者に分配され、第2、第3抵当権者は1円も回収できません。

そこで、抵当権を抹消してもらうため、第1順位の債権者が第2順位以下の債権者に対して抵当権抹消の承諾料(通称ハンコ代)を支払うのが慣例となっています。第2順位以下の債権者は債権の回収ができないよりはハンコ代をもらった方が得ということで、抵当権の抹消に協力するのが一般的です。また、競売になると時間や費用、手間がかかるため、債権者としても避けたいのが本音です。

2.戸建住宅の競売

競売というのは、債務者がローンの返済を滞納し続けているため、債権者が貸付金の回収手段として、裁判所に担保不動産の競売を申立てることです。申立てが認められると、裁判所は一般公募によって強制的に当該住宅を売却します。

競売には以下のような特徴があります。

①債務者の意思は考慮されません。

②裁判所は一般的に、競売価格を市場価格の50~70%に設定します。

③購入希望者には住宅の内部を見ることができない、瑕疵に対する保証がないという制約があります。

④競売の場合は住宅の情報が裁判所から公表され、また業者が競売物件としてインターネット上に掲示することがあるため、返済不能を近隣に知られることがあります。

⑤売却や引越しなどにおける諸費用は債務者自身の負担になります。

⑥落札後に住宅に居住し続けると不法占拠になり、裁判所から明渡しの強制執行が下されます。

⑦競売後の残債に対しては、厳しい処置が採られます。

まとめ

マイホームである戸建住宅を失うと、将来の生活に大きく影響します。まずは、無理のない返済計画に基づいた住宅ローンの契約が重要になります。また、返済に破綻が生じたら、速やかに金融機関に相談することです。金融機関も貸付金の回収が最終目的であるため、返済期間を延長したり、利子の返済を猶予してくれたりします。

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