不動産を所有しなくても投資のできる不動産投資信託(REIT)

景気が一時期の低迷から脱出してきたことで、投資をする人が増加傾向にあります。投資にはいくつものツールがありますが、株式やFXなどの他、不動産投資があります。不動産投資というと、マンションやアパートなどの建物を所有するイメージを抱きますが、建物を持たなくても不動産投資ができます。建物を持つリスクを解消し、且つ誰にでもできるようにした不動産投資が、「不動産投資信託(REIT)」です。

●不動産投資信託(REIT)とは

不動産投資信託は不動産に投資するための資金を市場から集め、その資金を投資の専門家が運用し、得た収益を投資家に分配金として配当するものです。いわゆる、「投資信託の不動産版」になります。

資金は商業施設やテナントビル、マンション、ホテルなどの収入の見込める建物の購入に充てられます。そこから得られた賃料などの収益を投資家の出費額に応じて分配されます。目的が賃貸契約であるため、分配が継続的に見込め、また賃料は景気動向に左右されることが少ないことから、安定した分配金を得られます。利回りは大体4~10%です。

なお、不動産投資会社が実質的な運用を行うことは法律で禁止されているため、資産運用会社と資産保管会社、事務受託会社に業務が委託されています。

1)資産運用会社
投資する不動産の選定や賃貸条件の決定、不動産の価値を維持するための修繕計画の立案、資金調達などを担います。

2)資産保管会社
保有している不動産の資産管理を担います。通常、信託銀行が資産保管会社になっています。

3)事務受託会社
会計や納税、社債などに関する事務を担います。

●不動産投資信託における2つの種類

不動産投資信託には大きく分けて、「特化タイプ」と「複合タイプ」の2種類があります。特化タイプは1種類の不動産に用途を限定し、複合タイプはホテルと住宅、商業施設とオフィスなど多目的に資金を使います。

1.特化タイプ
特化タイプは用途が限定されているため、投資の検討が容易にできます。例えば、オフィスビルなら景気が上昇すると収益がアップしやすいという特徴があるため、高リターンを狙えます。また、景気にほとんど影響を受けない住宅は、安定的な収益が望めます。ただし、特化タイプは1種類しかないため、予測が外れるとカバーすることができないというデメリットがあります。

2.複合タイプ
複合タイプは安全性から不動産投資信託の主流になっています。用途の違うものがセットされているため、リスクを低減化できます。ただ反面、不調な業種が混じると利益が減少します。

●不動産投資信託のメリット

不動産投資信託には以下のメリットがあります。

1.少額の資金で投資が可能
現物を所有する不動産投資は高額な資金が必要なため、個人でするには負担が大き過ぎます。不動産投資信託なら数万円程度で不動産投資を行うことができます。

2.管理・維持コストが不要
現物に投資するわけではないため、不動産にかかる税金や、不動産の管理・維持に関する費用の心配が要りません。また、空き室リスクというものもありません。

3.知識が不要
資金の運用はファンドが行うため、不動産投資に対する知識が必要ありません。

4. 高利回り
投資運用における収益のほとんどが投資家に還元されるため、一般的に株式の配当よりも利回りが高くなっています。

5.換金が容易
流動性が高いため、不要になったらいつでも売却することが可能です。

●不動産投資信託のデメリット

いかに専門家が運用するとは言っても、市場環境によっては元本割れを起こすリスクがあります。また、投資会社の経営破綻などによって投資した資金が戻ってこない可能性もあります。

まとめ

不動産投資信託は投資信託の良さを不動産に生かしたものです。少額から始めることが可能で、また専門家に運用を任せるために手間のかからないことが特徴です。ただし、投資に変わりはないため、元本が保証されているわけではありません。