戸建住宅には当然、土地が付いてきます。その土地の面積について、不動産業者から坪数を伝えられますが、実はその坪数をよく確認する必要があります。土地の売買においては、「公簿売買」と「実測売買」があります。公簿売買とは、登記簿に記載されている面積を当該土地の面積として売買します。一方、実測売買では、実際に測量した土地の面積でもって売買します。2つの売買方法があるのは、登記簿の面積が必ずしも正確な面積を表していないからです。

●公簿売買と実測売買

公簿売買は契約書に数値を書き込むだけなので、契約の締結がスムーズにできます。ただ、実際の面積が異なっていた場合は、売主か買主のどちらかが損することになります。また、往々にして、隣地の所有者との間で、境界トラブルの生じることがあります。

一方、実測売買は正確な面積で売買ができますが、測量費用の負担の問題があり、また時間と手間がかかることになります。ちなみに、金融機関から戸建住宅の購入費用を融資してもらう場合は、土地が貸付の担保となるため、実測売買を要求されるのが一般的です。

●実測売買における留意事項

実測売買をする場合は、以下のことに注意します。

1.精算単価や精算方法の明確化

売買金額の基となる積算の単価を明確にします。近年は1平方メートル当りの単価とするのが一般的ですが、坪単価のケースもあり、その場合は3.3平方メートルでの計算なのかを確認します。なお、登記簿の面積で仮の売買価格を決めて契約し、実測した際の誤差額分を売買価格から増減額する方法もあります。

2.実測の対象部分を明確化

土地に私道部分やセットバック部分が含まれている場合、通常は「有効宅地部分」のみを実測対象としますが、そのことを売買契約書に明記しておくことが必要です。当然、売主と買主の合意があれば、私道部分やセットバック部分を含んだ実測も可能です。

セットバックとは、建築基準法に基づいて行われるもので、道路の中心線から2m後退した位置に住宅を建てることを言います。建築基準法では道幅が4m以上でないと、「道路」とは認めていません。そして、土地が接する道の幅が4m以上でないと、住宅の建築を認めないルールになっています。

なお、セットバックの場合は、役所の対応次第で売買契約の締結日が遅延する可能性があり、それに関する取決めも必要です。

3.実測方法、及び費用の負担の明確化

土地を実測する際は、隣地所有者の立会いの下、土地家屋調査士などに測量を依頼して測量図を作成します。また、公道や水路、公園など公有地との境界が絡むため、管轄の役所担当者の立会いが必要です(官民査定)。このような測量方法を「境界確定測量」と言い、隣地所有者の承認を得た正確な面積での売買が可能になります。

ただ、境界確定測量は手間がかかる上、隣地所有者の協力を得られるとも限りません。その場合は、「現況測量」という方法があります。いずれにしても、事前の打合せが必要であり、測量における費用の負担割合も決めておきます。

●筆界特定制度

戸建住宅の場合は隣地との境界のことで、隣地所有者との間で諍いが生じがちです。境界が測量図と違っていたり、境界を示す境界標が無くなっていたりします。土地の境界が不明な場合は、「筆界特定制度」を利用するのが適しています。この制度は、法務局の登記官が境界を特定するものであり、公的な判断として境界の位置が明確になるため、トラブルの回避や解決に役立ちます。ただし、境界の位置を示す境界標の設置までは行いません。

●まとめ

戸建住宅は一生の内で最も高価な買物であるため、土地の面積に関しては正確をきすことが重要になります。後々、揉め事の起きないように、契約時点で内容を明らかにします。また、隣家とのトラブルは将来の生活に悪影響を及ぼします。境界の明確化も必要です。