不動産における建築物の耐用年数は工法と建材の材質で変わる

不動産における建築物の耐用年数は工法と建材の材質で変わる

不動産の建築物の価値は年が経つに連れて基本的には下落していきます。
それは耐用年数が減っていくためです。建築物には寿命があり、使える年数が減ればそれだけ価値が下がります。
また、原理的・物理的にまだ寿命とはいえなくても、実質的に寿命のように判断される場合もあります。
今回はそういった建築物の耐用年数について解説していきましょう。

目次

建築物の実質における耐用年数とは

建築物を建てる際にはいろんな工法とそれに対応した建築資材が用いられます。
その工法と建材の材質によって建物の寿命が異なっていきます。
建築物は年月が経過すると、木製の住宅の場合は木が腐食したり、建物に使用されている仕上げ材などが劣化していきます。
また、地震などの天災でも建物は確実に傷んでいきます。
地震では構造を維持している釘などが曲がったり折れるなどして、建物全体が緩んでしまいます。
そうしたことの繰り返しで建物は少しずつ脆くなり、ついには住むには危険な水準と言える強度にまで減少して寿命となります。
こうなるまでの年数が実質の耐用年数です。

建物の劣化とメンテナンス

建物に寿命があります。しかしながら、定期的または状況ごとにメンテナンスを行うことで寿命を大幅に伸ばす事が可能な場合があります。
外壁や内部構造に亀裂が入った場合に適切な補修を行ったり、カビやシロアリの発生を抑える措置を講じるなどをすれば建物は健全な状態を維持できます。
健全な状態で維持されれば、30年の寿命の建物が80年以上に伸びるケースもありえます。
こうして、建物の寿命はメンテナンスの有無でも変化していきます。

維持コストと建て替え

メンテナンスを行えば建物の寿命は延長され、それによって建物の寿命は伸びます。
しかし、メンテナンスには当然ながらコストが掛かります。コストは建物が維持される年数が増えるほとに嵩んでいきます。
そしてついには建て替えたほうが安いという状況となってしまい、寿命前に建て替えてしまうことが多いのが実情です。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、財務省が省令で規定している固定資産の減価償却費の計算のための数値です。
住居用の建築物の場合はこれに1.5を掛けて耐用年数とします。
実質的な建物の耐用年数(寿命)とは異なるので注意が必要です。

建築方法ごとの建物の実質の耐用年数

建物は建築方法ごとに主に使われる素材が異なります。その建物ごとの寿命はその素材で決まるものとなります。建築方法には主に素材名が入ります。

住宅に用いられることの多い方法に「木造建築」があります。
木で構造を構成するこの方法は建築コストが安く、内部構造の自由度の高さなども特徴です。
寿命は30年とされていますが、メンテナンス次第では80年に伸びます。

商業や工業分野などで用いられることの多い工法に「鉄筋建築」があります。
鉄骨建築の寿命は約30年です。しかし、メンテナンスを行えばなんと半永久的に維持することができます。
それはなぜかというと、鉄骨そのものを交換し続けることができるからです。
しかしながら、いくら鉄筋の交換で半永久的に持たせられるとは言っても、いずれは建て替えた方が安いコスト状況となることで建て替えとなります。

他にはマンションやビルなどに用いる「鉄筋コンクリート造」があります。
こちらは素の状態で最も寿命が長く、約50年持ちます。実質は100年持つとも言われることがあります。(建築年代が古いものを除く)
これはマンションの建築では特に重要で、住む人の建て替え負担を減らすことにつながります。
不動産としての価値を維持する上でも重要でしょう。

まとめ

建築物の耐用年数表示は法定耐用年数をベースとしていますが、実際の寿命となる耐用年数とは異なります。
そういった建物の寿命のあり方を考える事も不動産においては重要な事柄となるでしょう。

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