戸建住宅の購入においては新築だけではなく、中古の戸建住宅を購入する時があります。中古の戸建住宅の場合は新築とは違い、リスクの存在が避けられません。その代表的なリスクが「瑕疵(かし)」です。見た目で分かるような破損や欠陥であれば、すぐに修繕させることができますが、目に見えない瑕疵については、その責任の所在を明確にしておくことが重要です。そこで大切なポイントになるのが、不動産業者に課せられている「告知義務」の確認です。

●瑕疵のリスクを明確にする告知義務

宅建業法によって、不動産業者には告知義務が課されています。告知義務とは、宅地や建物の取引においては、買主に対して購入の判断に影響を及ぼすようなことを予め説明しなければならないという規定のことです。ただ、告知すべき内容における明確な規定は無いため、告知義務の必要性は過去の判例に基づくことになります。

中古住宅の購入において最初に気になるのが、屋根の雨漏り、柱や床の傾き、土台や配管の腐食などの「物理的瑕疵」です。告知義務において、買主は瑕疵への対応を明確に確認する必要があります。さらに、中古住宅の場合は、「心理的瑕疵」が生活に悪影響を及ぼすことになります。

●戸建住宅における心理的瑕疵というリスク

本来、瑕疵というのは取引時点では見えなかった、気付かなかった欠陥のことを意味しています。そして、心理的瑕疵というのは、「通常、居住したくないと感じさせる事情」のことです。例えば、当該住宅において、過去に衝撃的な殺人事件や、ニュースで話題になった悲惨な事件などがあった場合、誰でもそこで暮らすことに抵抗を感じるはずです。それが、心理的瑕疵です。そのような住宅を売却する場合、不動産業者は買主に対してその内容を告知する義務があります。

なお、心理的瑕疵はあくまでも普遍的なものでなければならず、個人的な感覚は対象になりません。例えば、『近所に評判の悪い人がいる』、『隣の赤ちゃんの夜泣き声が大きい』、『街灯が少なくて夜が怖い』などは、住宅における心理的瑕疵として認められません。

ただし、隣のビルに暴力団事務所が入っている、近所に火葬場の建築計画がある、などは心理的瑕疵の対象とされています。

●リスクの告知に違反した場合の責任

中古の戸建住宅の売買契約では、不動産業者は告知書(付帯設備及び物件状況確認書)を買主に交付しなければなりません。告知義務に違反した場合、不動産業者は以下のような責任を負わされます。
・瑕疵担保責任、または債務不履行責任に基づく売買契約の解除
・不法行為責任に基づく損害賠償の請求

裁判所の判例では、心理的瑕疵の告知義務違反に対する損害賠償の請求を認めるケースが増えており、心理的瑕疵の程度に応じて最大で売買代金の25%程度の損害賠償額の支払いが命じられています。

●リスクの告知義務への買主の対応

不動産の売買においては、買主も告知義務に対する意識を強く持つことが必要です。悪質な不動産業者の中には、中古住宅を早く処分するために瑕疵に対して曖昧な表現でごまかしたり、瑕疵自体を説明しなかったりすることがあります。

心理的瑕疵に関しては家族みんなの問題であり、特に一番長く住宅にいることになる奥さんの感覚が最も大切です。従って、現地の確認は奥さんと一緒に行うことが肝心です。戸建住宅の購入は一生に一度あるかないかの高額な取引であり、日々の生活に悪影響が出てはお金を捨てたようなものです。告知義務におけるリスクの確認が最も肝心です。

●まとめ

中古の戸建住宅を購入する時は、新築以上にリスクへの対応が重要です。目に見えるものだけではなく、見た目では気づけないような心理的瑕疵への対応が必要になります。後で後悔しないためにも、不動産業者からの告知義務は入念に確認することが求められます。