戸建住宅の購入は人生で最大の買い物であるため、火事に備えて火災保険に加入するのが一般的です。特に、戸建住宅の場合はマンションと違い、もらい火のリスクが高くなっています。また、住宅ローンを組んで購入する場合は住宅が担保となるため、金融機関から火災保険への加入を義務付けられます。

なお、火災保険に加入するにしても、どのくらいの保険料がかかるのか、補償はどうなっているのかなど、分からないことが多いというのが実態です。

●火災保険の保障範囲

火災保険でよく誤解されているのが、火災保険は「火災」に関連する損害が補償されるものと思われていることです。実は、火災保険の保障範囲は非常に広くなっており、火事の他にも洪水や上階からの水漏れ、爆発なども補償の対象になっています。実際に、火災保険からの支払いに占める火事の割合は5%程度にしかすぎません。風災・雹災・雪災が50%でトップ、盗難・水濡れが25%、破損が20%になっています。

ただし、建物の損害を補償するものであるため、中に入っている家財は補償の対象外です。従って、家財に対する保険は別に加入することになり、保険の種類としては「建物のみ」、「家財のみ」、「建物+家財」の3パターンになります。なお、地震を原因とする損害も補償の対象外であり、地震保険は別にあります。

●火災保険料の相場

火災保険の保険料は一律にはなっていません。建物は全て異なる形をしており、地域によっても火災の危険性が異なります。従って、火災保険の保険料には相場というものが無く、2万円〜20万円(10年一括払いの場合)と、かなりの開きがあります。

火災保険の保険料は主に、建物の構造、専有面積、所在地、補償内容、特約、保険期間、保険金額によって決まります。

1.構造

例えば、鉄筋と木造では、火事の発生や延焼の仕方がだいぶ違うため当然、保険料に影響します。戸建住宅の構造は以下の2つに分けられます。
・コンクリート造や鉄骨造などのT構造(耐火構造)
・木造や土蔵造りなどのH構造(非耐火構造)

T構造の方が保険料は安くなります。なお、木造であっても耐火建築や準耐火建築になっていると、T構造と見做されます。

2.専有面積

専有面積の広さに比例して、保険料が高くなります。

3.所在地

実は、日本のどの地域にあっても同じ保険料になるわけではなく、各地域の災害リスク度によって差があります。リスク度は消火施設の充実度も考慮されます。例えば、住宅が密集している首都圏は保険料が高額になりそうなイメージがありますが、消火施設が充実しているため、意外と低額になっています。

4.特約の有無

火災保険は付帯できる特約の種類が多くなっています。以下などの特約が設けられており、付帯するとその分が保険料に追加されます。
・個人賠償責任補償特約
日常生活で起きる様々な事故により、相手に対して損害賠償責任を負った場合、その賠償額が補償されます。

・類焼損害補償特約
自宅から出火し、近隣住宅に損害を与えた場合に補償金が下ります。

5.保険期間

火災保険の契約期間は1年から最大10年まであり、契約期間が長いほど保険料は割安になります。

6.保険金額(補償限度額)

保険金額が高いほど、保険料は高くなります。保険金額は自由に設定できるわけではなく、建物の評価額(再調達価格)が基本になります。最近の火災保険は自動的に再調達価格が保険金額に設定されます。再調達価格というのは、仮に建物が全損した場合、同等のものを取得する時にかかる金額のことです。戸建住宅の場合は、建築費用が評価額になります。

●まとめ

日本は国土が狭いことから住宅が密集しており、自分で気を付けても隣家からのもらい火の危険性があります。また、冬には火を使うことが多くなるため、リスクが高まります。ちなみに、日本には「失火責任法」という法律があり、「失火によって他人の家を延焼させてしまっても、失火者に重大な過失がなければ損害賠償責任を負わなくてよい」となっています。つまり、自分の家は自分で守らなければならないということです。