印紙代のかかる不動産取引と印紙代のかからない不動産取引

印紙代のかかる不動産取引と印紙代のかからない不動産取引

何らかの取引を交わす時に作成する契約書や、代金を支払った時に受取る領収書などには、収入印紙を貼付します。収入印紙とは、税金や手数料などの徴収のために政府が発行する証票のことです。そして、印紙税法という法律により、課税文書には収入印紙を貼ることが義務付けられています。

なお、収入印紙は税額を端数まで支払えるように、1円の収入印紙を始め以下の31種類が発行されています。
1円、2円、5円、10円、20円、30円、40円、50円、60円、80円、100円、120円、200円、300円、400円、500円、600円、千円、2千円、3千円、4千円、5千円、6千円、8千円、1万円、2万円、3万円、4万円、5万円、6万円、10万円

目次

印紙代のかかる不動産取引

印紙税が課されるのは、印紙税法で定められた「課税文書」です。課税文書とは、以下の3つの要項の全てに該当する文書のことです。

1.印紙税法で規定されている20種類の文書の中で、課税事項の記載されている文書
2.当事者間において、課税事項を証明する目的で作成された文書
3.印紙税法の規定において、印紙税の非課税とされていない文書

 

不動産取引においては、以下の文書などに収入印紙を添付します。

1.売買取引契約書、業務委託契約書、請負契約書など

印紙代は一律4,000円です。

2. 領収書

印紙代は領収金額ごとに以下などとなっています(一部抜粋)。
・5万円未満:非課税
・5万円以上100万円以下:200円
・300万円以上500万円未満:1,000円
・1,000万円以上2,000万円未満:4,000円
・3,000万円以上5,000万円未満:10,000円
・5,000万円以上1億円未満:20,000円
・領収金額が未記載:200円

ちなみに、業務委託契約を交わす際には委託者(発注者)と受託者(不動産会社など)が存在しますが、消印をするのは委託者のみで構いません。また、印は必ず契約を交わした委託者のものと分かるものでなくてはならず、単に「印」では効力を有しません。なお、サインでも代用が可能ですが、鉛筆など修正が可能なものは認められません。消印をする時は、貼付した印紙と契約書の両方にまたがるようにします。

印紙代のかからない不動産取引

契約金額が少額(1万円未満)の契約書は非課税文書となっているため、印紙代がかかりません。また、契約金額の記載がなく、契約者に不利益が生じない契約書も非課税文書扱いになります。

なお、委任契約も収入印紙を必要としません。それは、委任契約が請負契約と違って成果物を問われないからです。成果物を問われない契約は課税文書に該当しません。例えば、住宅の建築を委託した場合は請負契約のため、住宅という成果物を納品しなくてはなりません。従って、収入印紙の必要な契約です。

一方、機材を運んだり、ペンキを塗ったりするためにアルバイトなどを雇うのは単なる労働契約であり、成果物を求めているわけではありません。従って、課税文書ではないため収入印紙が不要です。

ちなみに、印紙代のかからない文書には非課税文書の他に不課税文書があり、違いは以下になっています。

非課税文書:課税文書の中で、例外的に課税扱いにならない文書
不課税文書:法律上、課税文書ではない文書

不課税文書としては、官公庁などに提出する文書や雇用契約書などが挙げられます。

まとめ

印紙税法では収入印紙を貼付する必要のある文書を規定していますが、画一的に課税文書とされているわけではありません。例えば、業務委託契約書でも請負契約には課税され、委任契約は課税されません。課税文書かどうかは作成した文書の種類で判断されるのではなく、記載されている内容で決まります。また、印紙代は契約書における報酬の記載の有無や、契約期間などで変わります。

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